相続豆知識

誰しもが、やがて直面する相続について、これ迄数多くの相続を観てきましたが、特にここ4.5年の間に争う相続が増えているのを実感しました。争う相続を回避するには、もし生前で在ればご本人のエンデイングノートを作成する事をお勧めします。当社では「笑顔相続ノート」を準備しており、ご本人様の「自分にもしもの事があった時に伝えておきたい事の為です。これは愛する人への想いや希望、築いた財産等を書き記すのに、ご本人様の自己紹介から始まり子育て時ご家族の大切な人への想いを記憶を探り、時折居りの実態や感想も記入して、今後の自分の思いを記す事が大切だと考えます。ご自身の財産を自分の想いで公平な分割と考えても相続人の中には財産の量的な問題で不公平、不平等と考える方もしばしば見受けられますが、何故こうなのかが、分からなくて不本意に思われているケースが多く、生前に目に見えない思いや期待を記す事で、収まる事もあるからです。もしも相続発生後は、近年相続人同志も中々会えて無いし、電話での話も出来て無いケースも多々在りますが、相続人代表者が被相続人に代わり自分が幼い時よりお亡くなりになられた方も含めたご家族の事を回想して、互いの想いを尊重、説得や同意を求められるかが、大事なポイントとなります。何が在っても揉めない事を念頭に、大事な人の財産を共に受け継ぎたい思いを持つ事が大事です。

定義・用語集

相続
ある人の死亡により、その人の財産について一切の権利と義務を死亡した人の配偶者や子供や一定の範囲の親族が受け継ぐことです。
共同相続
遺言がなく、相続人が二人以上いる状態で、遺産の分割を行わない場合は、相続人全員が共同で相続することになります。
遺産分割
相続人が確定し、財産や債務を相続人の間でどのように分けるか決めることを遺産分割協議といい、その協議の内容をまとめたものを遺産分割協議書といいます。
調停・審判
相続人全員の合意により遺産分割の協議が成立しない場合、家庭裁判所の調停または審判の手続きにより、遺産を分割することになります。

相続に関する制度

法定相続人について

財産を相続できる人や順位は、民法で決められており、ご家族なら誰でも権利があるというわけではありません。このように、民法で定められている相続の権利がある人を法定相続人といいます。


財産を分けるうえでの注意点について

話し合いにおいて財産を分ける場合には「法定相続分」が一応の基準となりますが、のこされた家族の状況等を考慮する事が重要です。その際、「寄与分」や「特別受益」にも注意が必要です。
また、遺言を作成する場合には「遺留分」にご留意ください。


成年後見制度について

加齢などにより判断能力が低下すると、実生活において、財産への不利益を受けたり、人間としての尊厳が損なわれたりする心配が生じてきます。上記の状態となっている場合において、法律面や生活面を支援する仕組みが成年後見制度です。

相続税など

通称「おしどり贈与」について

相続税は、被相続人(亡くなった方のこと)の相続発生時点の財産に対して算出されることから、生前に贈与することが相続税対策のひとつになると考えられます。 生前贈与の方法のひとつとして、長年連れ添った配偶者へ自宅や自宅購入資金を贈与した場合、2,000万円分(その年の生前贈与の基礎控除110万円を併用すると2110万円)迄贈与税がかかりません。 これを「贈与税の配偶者控除」、通称おしどり贈与と言われています。

贈与税の配偶者控除を利用するための主な要件としては
❶ 婚姻期間が20年以上であること
❷ 同一の夫婦間ではじめての利用であること
❸ 贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその不動産(土地・建物)に居住して その後も引き続き居住する見込みであること
❹ 翌年2月1日から3月15日までに一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出すること
があります。